
「妊娠を考え始めて葉酸が気になる」
「食事だけで足りているか不安」
「葉酸サプリの選び方がわからない」
上記のようなお悩みをお持ちの方に向けて、この記事では成分「葉酸」の基礎(はたらき・種類・吸収のコツ)から、効果・効能、1日の推奨量、食事での摂り方についてやさしく解説します。
迷いをほどき、今日から実践できる知識を身につけていきましょう。
葉酸とはどんな栄養素?
葉酸は水溶性ビタミンB群(B9)の一種。DNA合成や細胞分裂、赤血球の形成を助け、からだの“新陳代謝の設計図づくり”に不可欠です。体内で作れないため毎日摂取が必要。ほうれん草などの葉野菜、豆類、レバーに多く、加熱で失われやすいのが特徴。妊娠期には胎児の神経管の発達にも関与します。
葉酸を摂取するメリット・デメリット
葉酸は、細胞分裂・DNA合成・造血を支える基礎栄養素。とくに妊娠を計画・初期の方では神経管の発達を助けるための十分な摂取が重視されます。
一方で、サプリでの高用量・長期摂取はビタミンB12欠乏の見逃しや一部薬との相互作用など注意点も。食事とサプリを上手に組み合わせ、推奨量と上限量の範囲で活用することが大切です。
- 細胞分裂とDNA合成をサポートし、からだの更新を助ける
- 造血を助け、巨赤芽球性貧血の予防に寄与
- 妊娠の計画期〜初期に神経管閉鎖障害のリスク低減に役立つ
- ホモシステイン低下を通じ、心血管リスクの改善が期待される
- サプリの過剰摂取でビタミンB12欠乏の神経症状を“隠す”恐れ
- 一部薬(メトトレキサート、抗てんかん薬、葉酸拮抗薬など)と相互作用
- まれに消化器症状・発疹等の不調
- 長期の高用量摂取は安全性データが限られ、上限量の順守が必要
葉酸の効果・効能
葉酸(ビタミンB9)は、DNA合成・細胞分裂・造血に不可欠です。
粘膜や皮膚などの更新を助け、ホモシステイン低下を通じて心血管リスクの改善が期待されます。妊娠の計画期〜初期では胎児の神経管形成を支え、不足リスクの低減に重要です。
どんな人におすすめ?
- 妊娠を計画している/妊娠初期の女性(食事に加えて400µg/日の合成葉酸が望ましい)
- 貧血気味・造血を意識したい人(葉酸は赤血球形成を助ける)
- 生活習慣が気になる人(ホモシステイン対策の一助として)
1日の推奨摂取量(日本人の食事摂取基準2025を参考)
成人は男女とも240µg/日が推奨。妊娠中期・後期は上記に+240µg/日(合計480µg/日相当)、授乳期は+100µg/日(合計340µg/日相当)。
さらに、妊娠を計画している女性・妊娠初期は、食事とは別に合成葉酸400µg/日の追加摂取が望まれます。
| 区分 | 推奨量(/日) |
|---|---|
| 成人(18歳以上) | 240 µg |
| 妊娠初期(計画期含む) | 食事の240 µgに加え、合成葉酸400 µgを追加推奨 |
| 妊娠中期・後期 | 240 µg + 240 µg(付加量)= 480 µg |
| 授乳期 | 240 µg + 100 µg(付加量)= 340 µg |
※耐容上限量(主に合成葉酸由来)は年齢区分により約900〜1,000µg/日が設定。サプリの高用量・長期はB12欠乏の見逃しなどに注意。
参考リンク
- 厚生労働省/母子保健(妊娠計画〜初期の合成葉酸400µg/日推奨リーフレット)。経済産業省
- 日本人の食事摂取基準(2025年版)要点・数値の解説。長寿科学振興財団
- 厚労省E-JIM(医療者向け:過剰摂取の注意点・B12との関係)。厚生労働省eJIM「統合医療」情報発信サイト
葉酸が含まれている食品一覧
| 食品 | 含有量(µg/100g) | 240µg摂るには(目安量) |
|---|---|---|
| ほうれん草(ゆで) | 146 | 約164g |
| 枝豆(ゆで・可食部) | 311 | 約77g |
| ブロッコリー(ゆで) | 108 | 約222g |
| アスパラガス(ゆで) | 149 | 約161g |
| アボカド(生) | 81 | 約296g(中玉約2個) |
| レンズ豆(ゆで) | 181 | 約133g |
| ひよこ豆(ゆで) | 172 | 約140g |
| 鶏レバー(加熱) | 588 | 約41g |
| いちご(生) | 24 | 約1000g |
| オレンジ(生) | 30 | 約800g |
| 納豆 | 120 | 約200g(約45g×4〜5パック) |
葉酸を摂りやすいおすすめの料理
手軽に続けられること、日常の食材で作れること、そして1食あたり100µg以上をねらえることを基準に選びました。ゆで汁を活かす・加熱しすぎない・生食や蒸し調理を織り交ぜるのがコツ。
妊娠計画~初期の方は食品に加え合成葉酸の追加摂取も組み合わせると安心です。
| 料理名 | 主な食材 | 1食の目安量 | 想定葉酸量(µg/食) | 作り方のポイント / 続けるコツ |
|---|---|---|---|---|
| ブロッコリーとツナの温サラダ | ブロッコリー、ツナ、オリーブ油 | ブロッコリー120g | 約130 | 蒸して水分流出を抑える。缶汁は軽く切るだけに。 |
| ほうれん草と納豆の和え物 | ほうれん草、納豆、白ごま | ほうれん草70g+納豆1P(45g) | 約155 | 茹で時間は短く。醤油は控えめで風味を活かす。 |
| 枝豆とひじきの炊き込みご飯 | 枝豆、乾燥ひじき、米 | ご飯1膳(150g)+枝豆50g | 約160 | 枝豆は後混ぜで色と栄養をキープ。作り置き可。 |
| アスパラと卵の炒め | アスパラ、卵2個 | アスパラ100g | 約170 | 強火短時間でサッと。油は小さじ1で十分。 |
| レンズ豆のトマトスープ | レンズ豆、トマト缶、玉ねぎ | レンズ豆80g(ゆで) | 約145 | 煮汁ごと食べるスープは葉酸ロスが少ない。 |
| アボカドとサーモンのサラダ | アボカド1/2個、サーモン | 150g相当 | 約70 | 生野菜・生魚で非加熱摂取。レモンで風味UP。 |
| 鶏レバーのしょうが煮 | 鶏レバー、しょうが | レバー40g | 約235 | 下処理を丁寧に。食べ過ぎは避け週1回程度に。 |
| ひよこ豆のカレー | ひよこ豆、玉ねぎ、スパイス | ひよこ豆120g(ゆで) | 約205 | 豆たっぷりで満足感◎。冷凍保存で作り置き。 |
葉酸に関するよくあるQ&A
- 葉酸の主な効果は?
-
葉酸(ビタミンB9)はDNA合成と細胞分裂、赤血球の形成を助ける必須栄養素。粘膜や皮膚の更新を支え、ホモシステイン低下にも関与。妊娠計画〜初期では胎児の神経管形成をサポートし、不足リスクの低減に役立ちます。
- 1日の摂取量はどれくらい?
-
日本人の食事摂取基準では成人は240µg/日が目安。妊娠中は付加量があり、授乳期も追加が必要。妊娠を計画・初期の女性は食事とは別に合成葉酸400µg/日の追加が推奨されています。
- 妊娠中はいつまで必要?
-
妊活〜妊娠12週ごろは神経管の発達が盛んな時期で特に重要。以降も造血や胎児の成長を支えるため継続して十分量を確保しましょう。サプリは過剰にならないよう上限量を意識して選ぶのが安心です。
- 葉酸サプリはいつ飲むのが良い?
-
葉酸は水溶性で食後・空腹時どちらでもOK。飲み忘れない時間に毎日継続することが最優先。鉄やビタミンB12、Cなどと一緒に摂る設計も相性が良いです。用法・用量は商品表示に従いましょう。
- 天然葉酸と合成の違いは?
-
食品中の天然葉酸は熱や光で失われやすく、吸収率もやや低め。サプリ等の合成葉酸(葉酸モノグルタミン酸)は安定性と体内利用効率が高いのが特徴。妊娠初期の推奨量確保に合成の活用が推奨されます。
- 過剰摂取のリスクは?
-
食品由来で過剰になる心配は少ない一方、サプリの高用量・長期摂取はビタミンB12欠乏の神経症状を覆い隠す懸念があります。耐容上限量(年齢区分別で約900〜1,000µg/日)を超えない設計が大切です。
- 男性にも葉酸は必要?
-
はい。男性でもDNA合成や造血に関わるため毎日必要です。生活習慣が気になる人ではホモシステイン対策としても注目。まずは野菜・豆・果物を中心に食事で確保し、不足分はマルチビタミンで補う方法も。
- 葉酸が多い食品は?
-
ほうれん草、ブロッコリー、アスパラ、枝豆、納豆、レンズ豆、ひよこ豆、アボカド、柑橘、レバーなど。蒸す・電子レンジ・スープで煮汁ごといただくと損失を抑えやすく、効率よく摂取できます。
- 葉酸の吸収率を上げるコツは?
-
調理は短時間加熱や蒸し調理で。茹でる場合は湯を少なく、煮汁も活用。ビタミンCやB群、たんぱく質を含む食事と組み合わせると利用効率の面でも◎。サプリは少量を毎日続けるのが基本です。
- 薬との飲み合わせは?
-
叶酸拮抗薬(メトトレキサートなど)や一部の抗てんかん薬は相互作用に注意が必要です。治療中・通院中の方、サプリを高容量で使う方は自己判断せず医師・薬剤師に相談してください。サプリ表示の注意書きも確認を。
Q1. 葉酸の主な効果は?
A. 葉酸(ビタミンB9)はDNA合成と細胞分裂、赤血球の形成を助ける必須栄養素。粘膜や皮膚の更新を支え、ホモシステイン低下にも関与。妊娠計画〜初期では胎児の神経管形成をサポートし、不足リスクの低減に役立ちます。
Q2. 1日の摂取量はどれくらい?
A. 日本人の食事摂取基準では成人は240µg/日が目安。妊娠中は付加量があり、授乳期も追加が必要。妊娠を計画・初期の女性は食事とは別に合成葉酸400µg/日の追加が推奨されています。
Q3. 妊娠中はいつまで必要?
A. 妊活〜妊娠12週ごろは神経管の発達が盛んな時期で特に重要。以降も造血や胎児の成長を支えるため継続して十分量を確保しましょう。サプリは過剰にならないよう上限量を意識して選ぶのが安心です。
Q4. サプリはいつ飲むのが良い?
A. 葉酸は水溶性で食後・空腹時どちらでもOK。飲み忘れない時間に毎日継続することが最優先。鉄やビタミンB12、Cなどと一緒に摂る設計も相性が良いです。用法・用量は商品表示に従いましょう。
Q5. 天然葉酸と合成の違いは?
A. 食品中の天然葉酸は熱や光で失われやすく、吸収率もやや低め。サプリ等の合成葉酸(葉酸モノグルタミン酸)は安定性と体内利用効率が高いのが特徴。妊娠初期の推奨量確保に合成の活用が推奨されます。
Q6. 過剰摂取のリスクは?
A. 食品由来で過剰になる心配は少ない一方、サプリの高用量・長期摂取はビタミンB12欠乏の神経症状を覆い隠す懸念があります。耐容上限量(年齢区分別で約900〜1,000µg/日)を超えない設計が大切です。
Q7. 男性にも葉酸は必要?
A. はい。男性でもDNA合成や造血に関わるため毎日必要です。生活習慣が気になる人ではホモシステイン対策としても注目。まずは野菜・豆・果物を中心に食事で確保し、不足分はマルチビタミンで補う方法も。
Q8. 葉酸が多い食品は?
A. ほうれん草、ブロッコリー、アスパラ、枝豆、納豆、レンズ豆、ひよこ豆、アボカド、柑橘、レバーなど。蒸す・電子レンジ・スープで煮汁ごといただくと損失を抑えやすく、効率よく摂取できます。
Q9. 吸収率を上げるコツは?
A. 調理は短時間加熱や蒸し調理で。茹でる場合は湯を少なく、煮汁も活用。ビタミンCやB群、たんぱく質を含む食事と組み合わせると利用効率の面でも◎。サプリは少量を毎日続けるのが基本です。
Q10. 薬との飲み合わせは?
A. 叶酸拮抗薬(メトトレキサートなど)や一部の抗てんかん薬は相互作用に注意が必要。治療中・通院中の方、サプリを高容量で使う方は自己判断せず医師・薬剤師に相談を。サプリ表示の注意書きも確認を。

