
「カテキンって気になるけど、結局なにが良いの?」
「緑茶を飲めば十分?それともサプリ?」
「正しい摂取量や注意点を一度で知りたい」
上記のようなお悩みをお持ちの方に向けて、本記事では、カテキンの基礎(種類・働き)、抗酸化などの作用とエビデンスの見方、食品の選び方、目安摂取量と飲み合わせの注意点までをやさしく整理しています。
カテキンとはどんな栄養素?
カテキンは、緑茶などに多く含まれるポリフェノールの一種で、渋みの主成分です。代表的なEGCGなどが抗酸化性を示すことが知られ、日常の食生活で手軽に摂れるのが特徴。
サプリでも摂取できますが、用量やタイミングに配慮が必要です(医薬品ではありません)。
カテキンのメリット・デメリット
適量摂取は、日々の健康管理を“サポート”する目的に向きます。一方で、高用量や空腹時のサプリ摂取は胃部不快感などの原因になり得ます。
- 抗酸化性により、日常生活で受ける酸化ストレス対策を後押し
- 緑茶として取り入れやすく、続けやすい
- 口内のエチケット対策を支える用途で用いられることがある
- サプリの過剰摂取で胃腸の不快感の報告がある
- 鉄(非ヘム鉄)の吸収を妨げる可能性があり、食事直後の大量摂取は避けたい
- 体質や持病・服薬状況によっては不向きな場合があるため、心配な人は医療専門職に相談を推奨
カテキンの効果・効能
カテキン(特にEGCGなどの茶カテキン)は抗酸化性をもち、日常の酸化ストレス対策を“支える”成分として研究されています。
飲料(緑茶)としての摂取は一般に安全とされ、一方で高用量のサプリでは肝機能影響の報告があるため用量管理が大切です。効果は製品組成や生活習慣に左右され、医薬品のような確実性はありません。
どのような人におすすめ?
- 日々の健康管理で、抗酸化性のあるお茶習慣を取り入れたい人。
- コーヒー以外の気分転換飲料を探している人(適量のカフェインも含む)。
- 食生活の見直しと併せて、無糖飲料でカロリーを抑えたい人。
1日の推奨摂取量(目安)
公的機関による「推奨量(RDA)」は設定されていません。飲料からの一般的なEGCG摂取はおよそ90〜300 mg/日、高い人で〜866 mg/日と推定。
サプリではEGCG 800 mg/日以上で肝機能影響が見られるエビデンスがあり、それ未満での利用が安全上の目安とされています(空腹時大量摂取は避ける)。
| 形態 | 目安量(EGCG/日) | 補足 |
|---|---|---|
| 緑茶(飲料) | 90–300 mg(一般的) | 高い摂取者で〜866 mg/日の推定もあり。無糖での習慣化が無理なく続けやすい。 |
| サプリ | < 800 mg | 800 mg/日以上で肝機能影響の報告。空腹時の高用量は避ける。 |
- EFSA(欧州食品安全機関):緑茶カテキンの安全性に関する科学意見(2018年)。飲料で一般に安全、サプリで800 mg/日以上は肝影響のエビデンス。European Food Safety Authority
- NCCIH/NIH(米国国立補完統合衛生センター):緑茶の有用性と安全性のファクトシート。飲料で概ね安全、サプリで肝障害の稀な報告や薬物相互作用。NCCIH
- 国立医薬品食品衛生研究所(NIHS):海外当局の緑茶抽出物に関する安全情報を紹介(肝機能リスクへの注意)。国立衛生研究所
- 厚生労働省 eJIM(医療者向けハーブ情報):緑茶とEGCGに関する背景・エビデンス概要。厚生労働省eJIM「統合医療」情報発信サイト
カテキンが含まれている食事
| 食品・飲料(1回分) | 含有の目安 |
|---|---|
| 煎茶(抽出茶 250 mL) | EGCG 約50–100 mg |
| 抹茶(粉末2 gを点てた茶 約120–150 mL) | EGCG 約80–150 mg(品質差大) |
| Catechin強化の緑茶飲料(市販 500 mL) | 総カテキン 180–280 mg/500 mL |
| ほうじ茶(抽出茶 250 mL) | EGCG 少なめ |
| ウーロン・紅茶(抽出茶 250 mL) | カテキンは緑茶より少なめ(酸化でテアフラビン等へ変化) |
| ダークチョコレート(70–85% 30 g) | カテキン+エピカテキン 合計 約14–20 mg |
| りんご(中1個=約180 g) | カテキン少量(主にエピカテキン数 mg/100 g) |
「どれくらい食べれば(飲めば)いい?」
公的な推奨量(RDA)はありません。
ここでは例としてEGCG 200 mg/日を確保したい場合の目安を示します(安全域や体質・カフェイン耐性に配慮してください)。
- 煎茶(250 mL/杯をEGCG 75 mgと仮定):約3杯/日。
- 抹茶(粉末2 g/杯をEGCG 100 mgと仮定):約2杯/日。
- Catechin強化緑茶飲料(500 mL/本、総カテキン180–280 mg):1本で到達可能(ただし総カテキンでの計算)。
安全面:飲料由来は概ね安全とされますが、サプリで高用量(EGCG 800 mg/日以上)では肝機能影響の報告があります。空腹時の大量摂取は避け、体調に留意を。
おすすめの料理・取り入れ方
砂糖不使用で日に何度も続けられる形に。食中・食後を中心にして、鉄吸収への影響を避けたいときは食間の大量摂取を控えるのも一手。
- 冷茶(水出し煎茶):渋みが穏やかで飲みやすく、食事中の無糖ドリンクに最適。
- 抹茶ヨーグルト:抹茶2 g+無糖ヨーグルト100 gを混ぜ、朝食や間食に。
- 緑茶×和風だしのスープ:出汁に湯冷ましの煎茶を加え、塩分控えめでも風味UP。
| 料理・飲み方(1人分) | 作りやすさ | 1回に見込めるEGCGの目安 | メモ |
|---|---|---|---|
| 水出し煎茶 300 mL | ◎ | 40–80 mg | 低温抽出で渋みひかえめ。抽出時間長めでやや増加。 |
| 抹茶ヨーグルト(抹茶2 g) | ◎ | 80–150 mg | 抹茶量で調整。カフェイン感受性に注意。 |
| 温かい煎茶 250 mL ×2回/日 | ○ | 100–200 mg | 朝・昼の2回に分けると継続しやすい。 |
カテキンに関するよくあるQ&A
- カテキンの主な働きは?
-
カテキンはお茶由来のポリフェノールで、日常の酸化ストレス対策を支える成分として研究されています。無糖の緑茶として取り入れやすく、食生活の見直しや運動と併せた健康管理に役立てやすいのが特徴です。
- 1日の目安摂取量は?
-
公的な推奨量はありません。例としてEGCG合計200mg前後を目安にする人が多いです。煎茶なら1杯50–100mg程度が目安なので2~3杯で到達可能。サプリ利用時は高用量になりやすいので用量・体調に注意してください。
- サプリとお茶どっちが良い?
-
基本は無理なく続けられるお茶がおすすめ。味や習慣として取り入れやすく、全体の水分補給にもなります。サプリは含有量を調整しやすい反面、高用量に偏りやすい点に注意。まずは食事・飲料からの摂取を土台にしましょう。
- 飲むタイミングはいつ?
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食中・食後が続けやすく、カフェイン感受性が強い人でも負担が少ない傾向。空腹時に高濃度の抽出物やサプリを多量に摂ると胃部不快感の原因になり得ます。朝と昼に分けて飲むなど、生活リズムに合わせて少しずつ続けるのがコツです。
- 副作用や注意点は?
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飲料としての適量摂取は一般に安全とされますが、サプリで高用量になると肝機能への影響が報告されています。体質や持病・服薬状況により合わない場合もあるため、違和感があれば中止し、必要に応じて医療専門職に相談しましょう。
- 鉄の吸収に影響ある?
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お茶のカテキンは非ヘム鉄の吸収を妨げる可能性が示されています。貧血が気になる人は、鉄を多く含む食事の直後に大量の緑茶を飲まない、食間に分けるなどの工夫がおすすめ。ビタミンCを含む食品と鉄を一緒に摂るのも一案です。
- カフェインが心配です
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緑茶にはカフェインが含まれます。就寝前やカフェインに敏感な人は、量や時間帯を調整しましょう。水出しや低温抽出にすると渋みや刺激が和らぐことがあります。妊娠・授乳中は総摂取量の上限に配慮し、控えめを心がけてください。
- カテキンはダイエットにもいい?
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カテキン単体で体重が確実に減るわけではありません。無糖の緑茶はカロリーがほぼゼロで、間食の代替や食事のメリハリづくりに役立てやすい飲料です。体重管理の基本は食事全体の見直しと活動量の確保で、補助的に活用するのが現実的です。
- 妊娠・授乳中は飲んでも大丈夫?
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緑茶1~2杯程度の適量は多くの人で問題ないとされますが、カフェイン総量に配慮が必要です。高濃度の抽出物やサプリは避け、体調や医師の指示を優先しましょう。不安がある場合は、摂取量・製品表示を確認のうえ専門職に相談を。
- 他の飲み物との違いは?
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紅茶やウーロン茶は発酵・半発酵でカテキンの一部が別成分へ変化します。緑茶はカテキンを比較的多く含み、無糖で続けやすいのが利点。コーヒーはカフェイン量が多めになりやすいので、気分や体質に合わせて飲み分けると無理がありません。

