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DHA・EPAとはどんな栄養素?効果・効能と多く含まれている食品を紹介

「集中力が続かない…」

「血液や心臓のために何を摂ればいいの?」

「魚は体に良いと聞くけれど毎日は難しい」。

本記事では上記のようなお悩みの方に向けて、DHA・EPA(オメガ3)の基本、期待できる効果とエビデンス、1日の摂取量の目安、青魚・食品での摂り方について丁寧に解説します。

是非参考にしてください。

目次

DHA・EPAとはどんな栄養素?

DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、青魚に多い長鎖オメガ3脂肪酸。細胞膜の材料として脳・網膜の機能を支え、炎症を調整する生理活性物質の材料にもなります。

中性脂肪を下げ、血流を促し、生活習慣ケアや妊娠期の栄養補助にも用いられますが、用量や体質によって注意点もあります。

メリット

中性脂肪低下や血流サポート、炎症ケア、認知・視機能の維持、胎児の発育支援など多面的に働きます。食品から摂りにくい場合はサプリで量と品質を安定させられます。

  • 中性脂肪を下げる
  • 血流・心血管の健康をサポート
  • 炎症反応のバランス調整
  • 認知・視機能の維持に寄与
  • 妊娠・授乳期の栄養補助(医師と相談の上)

デメリット

高用量や抗凝固薬との併用で出血傾向が懸念され、魚臭さ・胃部不快、酸化劣化のリスクがあります。魚アレルギーや原料由来の品質差にも注意が必要です。

  • 出血リスク(高用量・併用薬で注意)
  • 胃腸症状・魚臭さ(後味)
  • 酸化(劣化)しやすい=保存・品質管理が重要
  • 魚アレルギーの人は避ける/要相談
  • 大型魚由来の不純物は精製品質で差が出る

DHA・EPAの効果・効能

DHA・EPAは、体内で合成しにくい長鎖オメガ3。中性脂肪を低下させる作用が最も確立しており、特に高トリグリセリド血症では医療用量(総量4g/日)で30%以上低下が示されています(医師管理下)。

一般成人は心血管リスク低減の観点から、EPA+DHAとして少なくとも250mg/日を目安にするとよいとされています。

妊娠期は通常の目安に加えてDHAを100–200mg/日上乗せする推奨が示されています。

一方で、心血管一次予防としてのサプリ効果は限定的との見解もあり、まずは魚摂取(週1–4回)を基盤にすることが推奨されます。

どんな人におすすめ?

魚をあまり食べない人のオメガ3不足補助、血中中性脂肪が高めで医師から指導を受けている人の補助、妊娠・授乳期のDHA確保(医師と相談の上)に適します。

抗凝固薬内服中や不整脈既往がある場合は必ず医療者に相談してください。

  • 魚摂取が少ない成人の栄養補助に
  • 中性脂肪が高めで管理が必要な人(医師管理下で用量調整)
  • 妊娠・授乳期のDHA確保(通常量+DHA100–200mg/日)
  • 抗凝固薬内服者・不整脈リスク者は要相談(高用量でAFリスク報告あり)

1日の推奨摂取量(目安)


日本の食事摂取基準はn-3系脂肪酸の指標を示しますが、DHA・EPAの個別RDAは設定していません。

そのため、国際的な公的/学術機関の目安を参考に、通常はEPA+DHA=250mg/日、冠動脈疾患のある人は約1g/日(医師指導下)、高トリグリセリド血症では2–4g/日(医療用製剤・医師管理下)を目安としてください。

摂取量の目安(EPA+DHA)

対象目安量
一般成人250–500 mg/日
妊娠期上記にDHA 100–200 mg/日を追加
冠動脈疾患あり約1 g/日
高TG血症2–4 g/日(医療用・医師管理)
安全上限の目安(サプリ)~5 g/日(EPA+DHA合計)
参考・参照リンク
  • EFSA(欧州食品安全機関):EPA・DHAの摂取目安と安全性European Food Safety Authority
  • NIH ODS(米国国立衛生研究所・栄養情報):オメガ3解説、妊娠期のDHA追加量、上限に関する情報栄養補助食品局
  • AHA(米国心臓協会)科学声明:高トリグリセリド血症に対する用量と効果AHA Journals
  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」:n-3系脂肪酸の位置づけ(DHA/EPAの個別RDAは未設定)厚生労働省

DHA・EPAが含まれている食事

青魚・加工品に多い食品と必要量の目安

食品EPA (mg)DHA (mg)合計 (mg)1食の目安量1食で摂れる量 (mg)500mgに必要な量1,000mgに必要な量
サンマ(生/焼き)1,0001,2002,200100g2,200約23g約45g
サバ(生/焼き)9001,0001,900100g1,900約30g約55g
イワシ(生/焼き)9008001,70080–100g1,360–1,700約30g約60g
ブリ(生/焼き)7001,0001,700100g1,700約30g約60g
サケ(紅鮭など)6009001,500100g1,500約35g約70g
マグロ(トロ)5008001,30080–100g1,040–1,300約40g約80g
アジ(生/焼き)4007001,10080–100g880–1,100約45–50g約90–100g
サバ水煮缶(固形100g)8001,0001,80080–100g1,440–1,800約30g約55–60g
サーディン缶(固形100g)7009001,60080–100g1,280–1,600約30–35g約65g
ツナ缶(ライト・油漬け)100–150150–200250–35070–100g175–350約150–200g約300–400g
しらす(ゆで)15025040030–50g120–200約125g約250g

DHA・EPAが摂取できるおすすめの料理

DHA・EPAは熱に比較的強い一方で酸化しやすい脂質です。短時間加熱・煮込みは汁ごと摂る・抗酸化のある味噌・生姜・梅・緑黄色野菜と合わせるのがおすすめ。

料理アイデア
  • サバ味噌煮→煮汁ごと食べられ、味噌や生姜で酸化対策にも。切り身1枚(約90g)で1,700mg前後。
  • サンマの塩焼き+大根おろし→脂を落としすぎない焼き方で。1尾(可食100g)で約2,200mg。
  • イワシの梅煮→梅・生姜の抗酸化と相性◎。中2尾(合計100g)で1,700mg。
  • サバ缶のトマト煮(玉ねぎ+ピーマン)→缶汁ごと使えば無駄なく。固形80gで約1,440mg。
  • 鮭のホイル焼き(きのこ・バター少量)→短時間蒸し焼きで風味キープ。切り身1枚(約100g)で1,500mg。
  • ブリ大根→煮汁ごと味わう定番。ブリ100gで1,700mg。

おすすめの料理と推定摂取量

料理名主な材料(1人分)推定EPA+DHA量ポイント
サバ味噌煮サバ切り身90g、味噌、生姜約1,700mg煮汁ごと、短時間で仕上げる
サンマ塩焼きサンマ可食100g、大根おろし約2,200mg焼きすぎ注意、脂を活かす
イワシ梅煮イワシ可食100g、梅、生姜約1,700mg抗酸化食材をプラス
サバ缶トマト煮サバ水煮缶固形80g、トマト、玉ねぎ約1,440mg缶汁ごと使用
鮭のホイル焼き鮭切り身100g、きのこ、少量バター約1,500mg蒸し焼きで酸化を抑制
ブリ大根ブリ100g、大根、だし約1,700mg煮汁も一緒に摂る

DHA・EPAに関するよくあるQ&A

DHAとEPAの違いは?

どちらもオメガ3ですが、EPAは中性脂肪低下・炎症バランスに、DHAは脳・視機能の維持により関与すると考えられます。実生活では魚やサプリで“両方を合計”して摂るのが効率的です。

1日の目安量は?

一般成人はEPA+DHAで250~500mg/日が目安。青魚1食で十分届きます。医師管理下では目的により1g以上を用いることもありますが、病状や薬との併用は必ず相談しましょう。

食事とサプリどっちが良い?

基本は魚料理で摂るのが第一選択。食事で不足しがちな人や忙しい日はサプリで補助が実用的です。サプリは含有量と酸化対策(製造法・カプセル遮光・賞味期限)を必ず確認しましょう。

妊娠・授乳中に安全?

通常の食事は推奨されます。サプリは一般目安に加えDHAを少量上乗せする考え方がありますが、用量や出血傾向・薬使用の有無で判断が変わるため、必ず産科の医師へ相談してください。

魚嫌いでも摂れる?

サバ缶・イワシ缶を活用すれば少量で高効率に摂取可能。ニオイが気になる人はトマト煮やカレー、味噌煮など風味の強い料理に混ぜると続けやすく、缶汁ごと利用で無駄なく摂れます。

いつ飲むのが効果的?

サプリは食後が基本。脂質と一緒に摂ると吸収が安定します。1日量を分けて朝夕に摂る方法も◎。空腹時は胃もたれや“魚臭いゲップ”が出やすい人がいるため避けると快適です。

血液サラサラは本当?

EPA・DHAは血中脂質や血小板機能に影響し、血流を保つ面で一定の知見があります。ただし「劇的にサラサラ」ではなく、食事・運動・禁煙など生活全体の見直しと併用してこそ有効です。

どの魚に多い?

サンマ、サバ、イワシ、ブリ、鮭に多く、可食100gで1,500~2,200mg程度含む例も。週2~3回の青魚メニューで日々の目安をほぼ満たせます。ライトツナは少なめなので缶種に注意しましょう。

飲み合わせの注意は?

抗凝固薬や一部の抗血小板薬を服用中は、高用量のオメガ3で出血傾向が問題になる可能性があるため医師へ相談を。手術前後や内視鏡前は、サプリ一時中断の指示が出ることもあります。

酸化や品質は大丈夫?

オメガ3は酸化しやすい油です。IFOSなど第三者検査・精製法(分子蒸留等)・重金属管理・遮光カプセル・賞味期限を確認しましょう。家庭では高温放置を避け、開封後は早めに使い切ってください。

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