MENU

亜鉛とはどんな栄養素?効果・効能と多く含まれている食品を紹介

「亜鉛ってよく聞くけれど、どんな働きがあるの?」

「サプリと食事、どっちで摂るべき?」

「不足や摂り過ぎが心配…」

亜鉛は免疫や肌、味覚、妊活などに関わる大切なミネラルですが、具体的なはたらきや1日の目安量、安全な摂り方は意外と知られていません。

この記事では、亜鉛という成分の基礎知識から、期待できる効果、推奨摂取量、食事での摂り方やサプリを選ぶ際の注意点まで、エビデンスを踏まえてやさしく解説します。亜鉛について「なんとなく知っている」状態から、一歩踏み込んで理解したい方に役立つ内容をお届けします。

目次

亜鉛について詳しく解説

亜鉛は体内で作れない必須ミネラルで、約300種類以上の酵素の構成成分として、たんぱく質・DNA合成、ホルモン分泌、抗酸化、防御反応など多くの代謝を支えています。

免疫細胞や味蕾、皮膚・毛髪、精子など「新しく作り替えられるスピードが速い組織」で特に重要で、日本人は不足しやすい成分です。一方でサプリから高用量を長期に摂り続けると、吐き気や腹痛だけでなく、銅の吸収を妨げて貧血や神経障害を招くおそれもあります。

メリット(適切量の亜鉛摂取)

・免疫機能を保ち、風邪などへの抵抗力をサポート
・味覚や食欲、嗅覚の維持に関与
・皮膚・粘膜、髪・爪の生成を助け美容面を支える
・男性の精子形成や性ホルモンバランスに関与し妊活をサポート
・成長期の身長・発達にかかわるたんぱく質合成をサポート

【デメリット(過剰・偏った摂取)】

・急性の過剰摂取で吐き気、腹痛、下痢、頭痛
・長期の高用量摂取で銅欠乏による貧血・手足のしびれなどの神経症状
・サプリ頼みで食事バランスが崩れるおそれ
・一部の薬との飲み合わせに注意が必要な場合がある

どのような人におすすめか

日本人は平均すると亜鉛摂取量が推奨量を下回っており、とくに若年女性や妊娠・授乳中の女性では不足傾向が指摘されています。

日常の食事で意識して摂りたいのはもちろんですが、必要に応じてサプリでの補給が検討されます(使用前に持病や服薬のある方は医師・薬剤師に相談を)。

こんな人におすすめ

  • 肉・魚が少なめで、パン・麺・お菓子に偏りがち
  • 厳しいダイエットや偏食が続いている
  • 妊娠を希望している/妊娠中・授乳中の女性
  • 成長期の子ども・思春期の男女
  • 風邪をひきやすいなど、免疫の弱さが気になる
  • 味がわかりにくくなった、高齢者や糖尿病・肝疾患など慢性疾患のある人

亜鉛の1日の推奨摂取量

日本では「日本人の食事摂取基準(2025年版)」で年齢・性別ごとに亜鉛の推奨量が示されています。

成人男性おおよそ 9.0〜9.5 mg/日
成人女性おおよそ 7.0〜8.0 mg/日
妊娠中(中期・後期)通常の女性推奨量+2.0 mg/日
授乳中通常の女性推奨量+3.0 mg/日

日本人の亜鉛 推奨量の目安(2025年版をもとに)

年齢・ライフステージ男性 推奨量 (mg/日)女性 推奨量 (mg/日)
18〜29歳9.07.5
30〜49歳9.58.0
50〜64歳9.58.0
65〜74歳9.07.5
75歳以上9.07.0
妊娠中(中期・後期)約10.0(8.0+2.0)
授乳中約11.0(8.0+3.0)

一方で、サプリなどによる摂り過ぎを防ぐための「耐容上限量」も設定されており、成人では男性で約40〜45 mg/日、女性で35 mg/日が目安です。

この上限を超える高用量を長期に続けると、銅欠乏による貧血や神経症状などのリスクが指摘されています。

亜鉛を多く含む主な食材と必要量の目安

食品100gあたり亜鉛量 ※一食の目安量その一食に含まれる亜鉛量この食品だけで約8mgとるには
生牡蠣(養殖)約14.0 mg60g(中粒5個前後)約8.4 mg(ほぼ1日分)約60g(中粒5個前後)
豚レバー約6.9 mg70g約4.8 mg約120g
牛肩ロース(赤身・生)約5.8 mg70g約4.1 mg約140g
牛ひき肉約4.3 mg70g約3.0 mg約190g
かぼちゃの種(いり・味付け)約7.7 mg20g(小さじ山盛り2〜3)約1.5 mg約100g
カシューナッツ(フライ)約3.1 mg20g(10〜15粒)約0.6 mg約260g
玄米ご飯約0.8 mg(100g)150g(茶碗1杯)約1.2 mg約1,000g(茶碗約7杯)
木綿豆腐約0.6 mg(100g)150g(半丁)約0.9 mg約1,300g(約1丁半強)
※数値は日本食品標準成分表2020年版(八訂)およびそれを基にしたサイトを参考にした概算です。
👉 ポイント
  • 牡蠣は少量で1日分近い亜鉛をとれる切り札的食材。
  • レバー・牛肉は「主菜1品」で1日の半分以上をカバーしやすい。
  • 穀類・豆腐・ナッツは含有量は少なめですが、毎日少しずつ積み上げるイメージで組み合わせると◎。
  • 実際の食事では、これらを組み合わせてトータルで7.5〜9.5mg前後を目指すのがおすすめです。

亜鉛を摂取できるおすすめの料理

亜鉛食材は「おつまみ」っぽい料理に偏りがちですが、主食・主菜・副菜を組み合わせることで、毎日の献立に無理なく取り入れられます。

たとえば、牡蠣料理を週に1〜2回、普段はレバーや牛肉料理+玄米や豆腐を足していくと、1日の必要量を満たしやすくなります。

ナッツやかぼちゃの種はサラダやヨーグルトのトッピングにして、小さな亜鉛ブーストとして使うのもコツです。

おすすめ料理と1食あたりの亜鉛量(目安)

料理名主な食材と量(目安)1食あたりの亜鉛量(概算)ポイント
牡蠣の酒蒸し生牡蠣 約70g(中粒5〜6個)約9.8 mg(成人1日分超)シンプル調理で亜鉛を効率よく摂れる一皿。食べ過ぎには注意。
レバニラ炒め豚レバー 約80g+ニラ・もやしなど約5.5 mg夕食の主菜にすると、残りは他の食品で補うだけでOK。
牛ステーキ+玄米ご飯牛肩ロース 約100g+玄米ご飯150g約7.0 mgしっかり食べたい日に。主菜+主食でほぼ1日分をカバー。
かき豆腐鍋生牡蠣 約50g+木綿豆腐100g+野菜約7.6 mg体を温めながら亜鉛とたんぱく質が一度にとれる鍋メニュー。
ナッツとかぼちゃの種サラダかぼちゃの種15g+カシューナッツ15g+葉野菜・チーズなど約1.6 mgメイン料理に足して、1日のトータル量を底上げする“亜鉛トッピング”。

亜鉛に関するQ&A

亜鉛サプリは毎日飲むべき?

食事から十分な亜鉛がとれている人は、必ずしもサプリを毎日飲む必要はありません。ただし日本人は不足ぎみとされ、肉・魚・卵・大豆食品が少ない人やダイエット中の人は、推奨量の範囲内で毎日少量ずつ補うと摂取量を安定させやすくなります。

亜鉛不足のサインは?

代表的なサインとして、味がわかりにくい・食欲低下・傷の治りが遅い・肌荒れや抜け毛が増えた・風邪をひきやすい、などが知られています。ただし他の栄養不足や病気でも起こる症状なので、自己判断せず、気になる場合は血液検査などを医師に相談することが大切です。

亜鉛の1日の摂取量は?

日本人の食事摂取基準では、成人男性でおよそ9〜9.5mg、成人女性で7〜8mgが推奨量の目安とされています。妊娠中・授乳中は少し多めが必要です。一方、サプリなどからのとり過ぎを避けるための「耐容上限量」もあり、成人で30〜45mg程度と定められています。

亜鉛を多く含む食品は?

亜鉛を多く含む食品として有名なのは牡蠣で、ほかに牛肉・豚レバー・うなぎ・カニなどの魚介、チーズ、卵、納豆や木綿豆腐などの大豆製品、かぼちゃの種やナッツ類、玄米などがあります。まずは主菜に肉や魚介をしっかり入れ、主食や副菜で穀類・豆類を足すと効率的です。

亜鉛を摂りすぎるとどうなる?

一度に大量に摂ると、吐き気・腹痛・下痢・頭痛などの消化器症状が出ることがあります。さらに高用量を長期間続けると、銅の吸収が妨げられ、貧血や手足のしびれなどの神経症状につながるおそれも指摘されています。サプリは「多いほど良い」ではなく、上限量を超えないことが重要です。

亜鉛サプリの飲むタイミングは?

亜鉛は空腹時だと胃がムカムカしやすいため、基本的には食後に飲むのがおすすめです。吸収を考えると、カルシウムや鉄を高用量で摂るサプリと同時に飲むと競合する可能性があるため、時間をずらすと安心です。就寝前の軽い食事のあとなど、毎日続けやすいタイミングを決めると習慣化しやすくなります。

妊活中に亜鉛は必要?

亜鉛は精子の形成や性ホルモンの代謝、細胞分裂などに関わるため、妊活中の男女ともに不足しないようにしたい栄養素です。男性では精子の量や運動性との関連、女性では排卵や着床を支える栄養バランスの一部として注目されています。ただし必要量を大きく超える高用量サプリは避け、医師や栄養士に相談しながら活用しましょう。

肌トラブルに亜鉛は効く?

亜鉛は皮膚や粘膜の新陳代謝、たんぱく質合成に関わるため、不足すると肌荒れ・ニキビの悪化・かさつきなどが起こりやすくなります。適切に補うことで、肌が生まれ変わるサイクルを整える一助にはなりますが、特定の皮膚疾患を治す薬ではありません。食事全体のバランスや睡眠、スキンケアと合わせてトータルで見直すことが大切です。

亜鉛と他サプリの飲み合わせは?

亜鉛は鉄・カルシウム・マグネシウムなどのミネラルを高用量で同時に摂ると、互いの吸収が下がる可能性があります。一方、ビタミンCやたんぱく質源と一緒に摂ると吸収を助けるとされます。マルチビタミン・ミネラルを併用する場合は、1日の総亜鉛量や上限量を確認し、重なりすぎないようラベル表示をチェックしましょう。

子どもも亜鉛サプリを飲んでも大丈夫?

子どもも成長や免疫のために亜鉛が必要ですが、基本は食事から確保するのが原則です。偏食が強い、医師から不足を指摘されたなど特別な理由がない限り、自己判断でサプリを与えるのは避けましょう。子ども用サプリを使う場合も、年齢ごとの推奨量や上限量を守り、小児科医に相談したうえで少量から始めるのが安全です。

目次